とりあえず
こりっちに感想書いてきました。しかし★とか点数とかって難しいですね。ものすごく苦手。どこにも公開しない、iPodのリストとかでも悩むんですよ。なので、OSKに関してはもう開き直って「どの公演も★4〜5」という方針で(笑)。いや、中にはそりゃ「いまいちだなぁ」と思う作品もありますけど、舞台作品の感想って自分の好みや観劇時の状況で大きく左右されるものなので難しいです。今まで見てきたOSKの公演はどれも「その時点でのベスト」に間違いないので、この劇団を応援するファンの立場としてはこれで良いと思ってます。ていうか、プロの評論家だってそうそう「客観的な批評」なんてものができてるわけでもないですしね。
ちなみにこりっちの感想に書いた「私の趣味じゃない」ところは、脚本だと「雨夜の品定め」。「女って〜やつは〜♪」とか言われると条件反射で「馬鹿じゃねーか!?」と思います。演出面では舞台上に人物が4人以下のところ。って、ほとんど全部ですね(笑)。いや、だから初日の1部終了後はホンットに凹んでましたけど、2日目以降は自分的に楽しめるポイントがたくさん見つかったので、楽しかったです。そもそも初日は3階席で見てたのが悪かったですね。私は眼鏡をかけてても1.0以下なので、上からでは衣裳の色しかわからないんですもん。さすがの桜花源氏の美しさもまーったく判別不能。だからものすごく地味ーと思ったのですが、翌日、ある程度表情の見える席から見たら、逆にその地味なところが粋に見えて良かったです。最初はぶつ切りに見えた展開も逆にテンポ良く思えましたし。各場面の余韻を残さないところもクールでいいかな、みたいな。
楽しめるようになった一番の要因は、登場人物----特に光源氏の内面を下手に説明してなかったとこ。光源氏の女性遍歴って今の一般的な価値観では好ましくないものなので、翻案作品では何かしら理由をつけて、光源氏が悪者にならないようにしがちなんですよね。しかしそういう後付の理由なんてものは結局ただの身勝手にしか見えないので、私は「源氏物語」というのがあまり好きじゃないわけです。
今回の光源氏はそういう小細工が脚本にも演技にも一切なかったので面白かったです。光君は目の前に花があれば迷わずにそれを摘む。それは当時の貴族の生活が「そういうもの」だったから。で、普通なら身分だの魅力だの経済力だのに応じて、摘む花の種類も数も限られる(だから幸も不幸も限度がある)。ところが、光君の場合はその美しさによってどんな花でもいくらでも摘むことが許されてしまった……。
思考も行動も他の貴族の男たちと変わりないのに、常軌を逸した美しさには「魔」が宿る……『源氏千年夢絵巻』を私はそういう物語だというふうに見て、それでけっこう気に入ったんでした。だから光源氏の桜花さんの美しさはもちろん最重要ポイントだけれど、それと同じくらい桜花さんの演技の直球っぷりが大事だったと思います。ふつーは役者だって、なんとか光源氏を現代の感覚で理解しよう、させようと「工夫」しちゃうだろうし、それをしちゃったらあのフィナーレの、真っ白な衣裳でひとり佇む光源氏の凄絶な美しさというのは成立しないでしょう。
オープニングの琵琶の弾き語りも優雅な王朝絵巻というよりも、平家の怨霊でもでてきそうな雰囲気だったし、藤壺とは別れの場面ばっかだし、夕顔は殺されちゃうし、六条御息所と葵上は車争いしかないし、唯一ラブラブの若紫は尼君から略奪してるし、よく考えると暗い場面ばかりで、「明るい」といったらギャル言葉だの平安☆アイドルだの、っていうのは、いくらなんでもバランス崩しすぎだとは思います。思いますけど私はこの「暗くて美しい壊れた世界」が好きですねぇ。桜花さんといえば「明るく華やか」が枕詞みたいなもんですけど、ここで「陰」を押し出してきたのは、よく考えたらすごいアイデアかも。